人員抑制効果 2

市町村税の場合は7・4%に止まっており、向上率は民間に劣るものです。


しかし58年度と50年度では21・5%の生産性向上となっています。


これらは電卓、複写機、計算事務のコンピュータ処理、そして一部はオンライン化効果によるものでしょう。


もっとも50年度に入って自治体は全般的に減量化の一環として税務職員もOA化の如何にかかわらず減員されつつあります。


しかし、減員化に耐えることができた要因として、OA化の浸透がすすみつつあることを無視することはできないでしょう。


OA化の費用効果を、ミクロの積み上げ算式の机上推計とマクロの実績的推計とにわけて算出してみましょう。


まずワープロの経済効果をみてみます。


文書事務が民間の一般職員では40%近くを占めています。


ワープロはまさにこの最大の文書事務を軽減するためのOAシステムです。


もしワープロ導入によって、文書作業が25%軽減されたとすると、全作業時間の10%に該当します。


人件費年間400万円とすると40万円のコストダウンに結びつくのです。


ワープロを専用で使っていたとしたら40万円はほぼリース代と一致しますが、数人で使っているので、その分、経済効果があがることになります。


さらにワープロには修正、保存、検索など文書事務上、さまざまの間接効果が見込まれますが、直接効果として、一応、人口5万人前後の市を想定すると、次のようにいえます。

人員抑制効果

OAの経済効果は主として人員抑制効果で測定されます。


それがどれほど効果があるか、銀行におけるオンライン効果についてみると・・・。


OAの効果は、都市・地方両銀行で約20万人です。


1人あたりの年間の人件費を300万円とすると、6000億円に達するのです。


全銀行のコンピュータ経費が6000億円のリース代とすると丁度見合うことになります。


銀行と同様にOA化の効果を地方自治体でみると、市町村の税務職員と課税件数とでみてみることができます。


市町村全体としてはオンライン化効果よりも汎用コンピュータによる計算事務効果が中心とみられますが、自治体ベースでもそれなりにかなりの効果をあげていることがみられます。


たとえば、昭和44年度では職員一人あたりの担当物件は906件でしたが、58年には1197・5件と32%の生産性向上となっています。


50年度、54年度の対比で銀行の生産性向上をみると、50年の1人あたり口座数は458・7口、54年では621・3口で35・4%の生産性向上となっています。

OA化と費用効果 5

たとえば、効率化の効果を労働者、執行部、市民がそれぞれ3等分して享受していこうとすると3分の1しか発生しません。


また、短期的にはむずかしいが長期的には可能であるという時間的推移がみられます。


第三に、OA化の効果はOA化が高度化するに従って次第に効果測定は困難性を帯びてきます。


その典型は政策決定支援システムで、そのデータを使うことによってどれほど政策決定の最適化に接近し、どれほど優れた政策決定をなし行政経費の節減につながったかの算定は不可能に近いでしょう。


しかしOA化の効果は、まず浄書、計算などの基本的事務の効果が如何に大きかったかを考えると、この第一次機械化の効果をベースにして考えていけば大半のOA化の効果はある程度まで算定できます。


OA化の効果を具体化してみる事例として、ミクロ分析とマクロ分析とにわけて推計してみることが必要です。


ミクロ分析はやや机上演習的推計でありますが、理論値としては優れています。


そしてマクロ効果は実績値で実効果としては信用せざるをえません。


しかし、ほとんどのケースは実効値の方が理論値より小さいので、政策課題としては如何に実効値を理論値に近づけるかが課題といえます。

OA化と費用効果 4

第一に、OA化の効果はまず直接(経済)効果と間接(非経済)効果にわけられることはすでにのべました。


直接効果は社会資本の効果などにあっていわゆる便益効果といわれるものです。


この効果は機械化前後の事業費を比較することによってある程度まで算出することができます。


問題は非経済効果で多くの場合、数量的に算出することがむずかしいのです。


たとえば待ち時間の減少、誤った作業の減少、労働の軽減、帳票の鮮明さなどさまざまです。


一つ一つの効果を逆算的に算出することは決して不可能ではないのですが、実益はあまりないのではないでしょうか。


たとえば市民の待ち時間が10分減ることによって、市民の側からみた拘束時間を1時間600円とし、10分で100円のメリットと算定しても意味がないでしょう。


それにデメリットの効果もあるからです。


・・・したがって間接効果はプラスアルファ的効果とみなして、余程、大きな明確な効果がない限りネグレクトして考えるのが妥当でしょう。


第二に、後でもふれるように機械化の効果は机上演習で算出される効果と、現実に自治体で確保される効果には大きな喰い違いが生じています。


それは各自治体の事情によるよりも、機械化の一般的傾向として机上計算どおりに効果は効率化へ吸収できないという理由が大きいのです。

OA化と費用効果 3

たとえば、住民登録のケースでは届出よりも異動の場合、検索が即時に行われます。


2つは、データパンチ入力費用が、漢字オンライン化によって削減されます。


3つは、住民台帳のオンライン化によって、各業務別の宛名・住所整理がなくなります。


・・・・これらによって人員の削減、超勤・アルバイトの減少、帳簿・台帳の軽減がもたらされます。


次に質的効果、つまり行政効果、いいかえればサービス効果としては、一つは、窓口での待ち時間の短縮。


2つは、本庁、支所、出張所で同質のサービスが受けられます。


3つは、情報の相互利用によってキメ細かなサービスが可能となるなどの効果があげられます。


ただ費用効果は測定可能な数値となって直接に測定できるとは限りませんし、また一方、その効果は定数削減という直接的な効果に限定されないものです。


さらに経費削減そのものについてどのように考えるか、自治体経営の基本原則に関する理論的課題も含まれています。


したがって、費用効果の具体的分析に立ち入る前に、費用効果につきどのように考えるかを論じてみる必要があります。

OA化と費用効果 2

十数年前20万円近くした電卓は、いまや千数百円です。


人件費は逆に大幅に上昇しています。


このような事例は汎用コンピュータを使った集中管理方式であっても、そのための用紙代、パンチ代、保管などさまざまの管理コストを含めても、ほぼ同じことがいえます。


しかもOCR方式(光学式文字読取装置)などの導入によって、計算事務の単純化、スピード化、正確化はますます増幅されてきました。


これに比べてオンラインなどの効果の測定はむずかしいでしょう。


・・・たとえばオンライン化の効果としては、住民サービスの向上(待ち時間の短縮など)、窓口事務の効率化(検索事務のスピード化など)、内部事務の省力化(重複データの排除など)があげられます。


しかしこれは目的別効果とはいえ、性質的には、次の量的効果(財政的効果、内部経済効果)と質的効果(行政的効果、外部経済効果)にわけることができます。


まず具体的にどれほど量的効果があがっているかはきわめて算定しにくいものです。


たとえば、財政効果はコストダウンの経済効果であって、一つは、事務処理の時間の短縮です。

OA化と費用効果

規模の利益からみて導入の効果はそれほど大きくないし、遅れればそれだけコスト軽減とか良いソフトシステムの開発などがみられます。


したがって、職員を養成しながら万全の体制で導入すればよいのです。


しかしそれでも町村ベースではすでに共同処理方式を導入しているところは、共同処理方式の活用が十分考えられる余地があります。


それはファイバーやコンピュータの性能が向上することによって、自己導入と同じ利便性をもって汎用コンピュータを利用することができるようになり、しかもコストの面から考えて共同処理の方が低いケースが多いと予測されるからです。


OA化の現実的争点は、やはり費用分析です。


電子技術が発達したとはいえ、かなり巨額のリース費の支出を余儀なくされます。


したがって、オンライン化などの導入はそれ相応の人員削減効果がなければ費用倒れとなる可能性があります。


しかもオンラインシステムは、計算、複写といった大量事務の単純処理でないだけに、直接の費用節減効果は発揮しがたいものです。


たとえば今日、自治体ではかなりの電卓計算機が配付されています。


もし電卓がなく手作業、あるいは十数年前のようにタイガー計算機で計算事務を行っていたとしたら、そのための必要な人員、超勤手当は数十倍も必要です。


それのみでなく、計算事務はかなり苦痛な労働であることも忘れてはなりません。

地方自治体のOA化 3

第三セクター方式でも住民情報は外注方式となるので、プライバシーなどの問題があります。


しかし、データ保護、プライバシー保護の観点から住民情報システム(住民記録、税、国保、年金等)の漢字オンライン用に庁舎内に中継機をもち、一方第3セクターの松戸コンピュータサービスのセンターコンピュータと中継機をオンラインで結ぶ方式(オンライン中継方式)を採用しています。


このように利用形態としてはさまざまの方式がありますが、中小都市で委託・共同処理方式のところはその選択を迫られることになるでしょう。


・・・


「今後の方向としては住民情報のオンライン化に象徴されるように、行政情報を複合利用し、総合行政情報を形成していこうとするところでは、どうしても自己導入方式に踏み切らなければならない行政環境が成熟しつつある。


ことにこれまでのように個別の計算処理とか宛名整理の場合では委託でも十分に対応できたが、複合利用となるとどうしても即応性に欠ける。


また、委託方式ではどうしても内部職員が育たず、OA化に対して何時までたっても受身であり、創造的な自己システムの開発のないままOA化がすすむことになる」。


・・・こうして、自己導入化がひろがっていくのでないでしょうか。


ただ市町村の規模からみて、自己導入はかえってコストがかかり過ぎるとか、要員の確保がむずかしい場合、それほど急ぐことはありません。

地方自治体のOA化 2

地域全体の行政レベルの向上という視点から共同処理方式を維持していくためには、機能を見直し、積極的に有効活用を図っていくことが大切です。


今日はユニークな方式として、千葉県松戸市が採用している第三セクター方式があります。


松戸市がどうして第三セクター方式を導入することになったかは次のように説明されています。


「松戸市のコンピュータ利用による事務改善は、昭和41年から始まり昭和47年には固定資産税、国保、年金、給与などに拡大したことからコンピュータ処理の分散委託方式から集中化へのニーズが高まり、コンピュータの自己導入についての検討も進められた。


しかし、自己導入のデメリット・・・つまり


(1)要員の確保とその労務管理


(2)市職員の運用による電算機稼動率の低さ


・・・などの理由により委託方式の継続となったが、一方では民間委託のデメリット・・・


(1)委託費用の増嵩とそのチェックの困難性


(2)システム・メンテナンスの困難性


(3)新規開発の不自由さ


・・・これらをさける必要があり、そこで第3セクター方式が採用されることとなった」。


・・・このように直営と委託の欠陥を克服する方式として、第三セクター方式がとられたのです。

地方自治体のOA化

地方自治体のOA化には、こんな背景がありました。


いくつかの導入方式が各々とられましたが、今回は共同処理方式について買いていきます。


昭和60年代、OA化のブームのなかで単独導入方式へ移行する団体、あるいは民間委託へ変更する団体が増えました。


コンピュータ共同利用組織の崩壊現象が起きています。


その原因としては次のようなことがあげられます。


(1)各団体間の思惑などにより所要経費に対するスケールメリットの調整が困難となる。


(2)地方財政の危機により経費の増嵩に不満があり、またその増嵩へのチェックが十分できない。


(3)OA化のブームのなかで総合行政情報システムを単独で実現したいというニーズが生れる。


(4)ME技術の発展によりコンピュータのハードウェアのコストが低下した。


(5)共同利用方式の負担が民間の計算センターなどへの委託と比べ割高となった。


(6)要員の確保と派遣職員のローテーションが困難となる。


・・共同処理方式はオンライン化の要請、OA機器の普及などの理由によって、一部、有力参加自治体が自己導入に踏み切ることによって崩壊の危機にさらされているともいえます。


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